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⑮ 生きかえったニケ |
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二匹で一匹 クリスマスの夜のニケトラ
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![]() 生きかえったニケ |
![]() 夏前のニケの後姿 |
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| ずいぶん長い間、猫日記を書かなかった。いや、書けなかった。と言うのも、我が家の家猫ニケが今年の夏を越せるかどうか・・?そんな状態だったのだ。
昨年10月、老猫ネロが19年の生命を閉じた。老衰で亡くなる前の3ヶ月は背骨がゴツゴツ浮き立ち、腹の皮がくっつくほどに痩せていた。トイレに行く時だけよろよろと立ち上がる。だが、一歩二歩と歩くと立ち止まり座り込んでしまう。そのネロの最後と、まだ6歳と言う若い猫のニケが同じ状態になっていたのだ。
一日中、水も餌もほとんど口にせず、目を閉じて部屋の隅にじっとしているだけ。「ニケ」と声をかけても反応もない。このまま死んでしまうのではないかと思うと心配で遠出も出来ない心境だった。猫日記を書ける精神状態ではなかった。春には4キロあった体重が半分の2キロまで減っていた。艶の消えた毛がパサパサと身体中を覆い、抱きかかえるとまるで生後数ヶ月の赤ちゃん猫のように軽い。腕の中で動く気力もないニケを見ているのが辛かった。2006年秋に我が家に捨てられていた二匹の兄弟猫ニケとトラは、毛皮の柄も性格も頭脳も体格も何一つ似ていない双子の猫だが、ひとつだけ共通点がある。片目が生まれた時から病に冒されている。ニケは右目、トラは左目。ニケの右目は少しは見えているらしいが、トラの左目は、医者に「このまま置いていると腐ってしまうので眼球を抉り取らねばならないかもしれない」と言われたほどの重症だった。毎日医者に通い、日に何度も目薬を差してどうにか手術をしないまでに回復したが、今もって全くトラの片目の視力はない。だが、生まれた時から右目しか見えないトラにとってはそれが普通であるらしく、本人、いや、本猫は全く不自由を感じてはいないらしい。そして、片目の視力がない以外トラはとても健康で、身体も大きくこの6年間、病気一つしていない。一方、トラと違って小柄で女の子のような可愛い容貌を持つニケは、生まれながらにして「癲癇」と言う持病を持っていた。拾って二ヵ月後、ある日突然椅子の上からドタッと転げ落ち、断末魔のような声をあげたかと思うと、バタバタ苦しげに空を手足が掻き毟った。ほんの2,3分くらいの時間だったが、そのもがき苦しむ姿を初めて見た時、なんと長く感じたことか!見ていて心臓が痛くなるほどに驚愕したものだった。
やっと痙攣が治まったニケを獣医の元へ連れて行って診てもらうと「癲癇ですね。猫や犬は治りません。一生ものです。死ぬまで薬を飲み続けるしか治療の方法はありません」と言われた。それ以来、長い時でも一ヶ月、短いときは一週間の間隔でニケは死ぬかと思うような苦しげな痙攣をくり返している。朝に夕に薬を飲み、目薬は日に三回。生まれつきの持病があるから身体も弱く、膀胱炎にもよくなるし、尿道結石にもなる。そしてその度に大嫌いな薬が増える。
「お前、辛いね・・・生きてることが辛いね・・」そんな風に思えて声をかける度に涙が出たりする。それでも痙攣がない時は元気にしていたのが、今年の春を過ぎた頃、薬の副作用かまるでシンナーを吸ったみたいによろつくようになった。どんどん体重が減っていき、餌を口にしなくなり、水も舐めるくらいしか飲まなくなった。それでいて痙攣は毎週一回はやってくる。時々、三日おきに痙攣が始まる時がある。
「痙攣の度に脳細胞が死んでいきます。長い痙攣の時は危険ですからすぐ知らせてください」と医者に言われていた。何時その日が来るのかと恐ろしかった。
ニケが生きかえった!薬をこんなに飲んでも痙攣の間隔が広がらないなら、せめて薬を少なくして楽にしてやろう・・そう思って秋に入ってから医者に内緒で薬の量を半分にしてみた。全部止めるのはちょっと勇気がなかったので半分にしてみたのだが、どうやらそれが効いたらしい。少しずつ少しずつニケに食欲が戻ってきた。少しずつ少しずつ体重が戻ってきた。少しずつ少しずつ元気が出てきた。少しずつ少しずつ動きが速くなった。痙攣が無くなることはないが、それでも、一週間おきが十日おきくらいに間隔が広がってきた。 そしてクリスマスの夜には、元の姿に戻ったニケとトラが、幸福そうに寄り添っていた。 MERRY CHRISTMAS!! |
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⑭ 早渕川の猫たち~「地域猫 ブルー」(2) |
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![]() 一頃 目を患っていたブルー |
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| いつも美しいブルーが風邪を引いたのか目やにを出していた時があった。気になっていたのだが、この写真の二週間後には元の美しい毅然としたブルーに戻っていた。一緒にいたMさんが「私も気になって医者に連れて行ったら、すぐ治りました」そう言って微笑んだ。 散歩の途中でMさんに会う時は、必ずブルーが傍にいる。彼女はまだ若い主婦で、住んでいるマンションで猫を飼ってはいけないそうだ。「それでも、もし、この子がついて来てくれるなら、なんとしても連れていきたい」と愛おしそうにブルーを見つめた。Mさんは、彼女をデユーイと呼んでいる。アメリカのオハイオ州?だかで図書館に住む地域猫として有名になった“デユーイ”から取って命名したのだそうだ。 ブルーがこの早渕川の仔猫の世話をしているやさしい“地域猫”と言う話も、実はMさんから聞いた話である。「この子はフアンが多くて、連れ帰る人も何人かいたのですが、必ず脱走してここに帰ってくるのです。忠犬ハチ公みたいに、誰かを待っているのか、それとも、ただ単にここが好きで自由に暮らしたいだけなのかは本当の理由は分からないのですが」とMさんは言っていた。猫が口をきけたら、どんな素敵な物語を語ってくれるのだろう?それとも、どんな悲しい物語なのだろうか? | |||
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⑬ 早渕川の猫たち~「地域猫 ブルー」(1) |
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![]() 地域猫ブルー |
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| いいお天気なので久し振りに散歩に出た。いつもの通り近所の早渕川の土手に沿って一時間ほど歩く。この早渕川沿いには色んな猫が棲息している。勿論、野良猫である。顔なじみの子もいれば、すぐいなくなる子もいる。誰か猫好きな人に拾われたのだろうか・・?
我が家にはニケトラ兄弟にオソノとムーの夫婦、四匹がいる。もう自分が飼えない猫には
関わらないようにしているが、やはり見る度に気になってしまう。
散歩中、いつもの場所で会わないとどうしているかなあ?とあちこち探してしまうのが
地域猫“ブルー”だ。写真で見ての通り美しい猫で、最初は野良猫ではなく「迷い猫」だと思った。うっかり家から出てしまって帰る場所が分からなくなった家猫だと思ったのだ。 |
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二匹で一匹 クリスマスの夜のニケトラ
















